続・無駄省きの挙動

おさらい
http://satototo.diarynote.jp/201407170947425464/
Waste Not / 無駄省き (1)(黒)
エンチャント
対戦相手1人がクリーチャー・カードを1枚捨てるたび、黒の2/2のゾンビ(Zombie)・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。
対戦相手1人が土地カードを1枚捨てるたび、あなたのマナ・プールに(黒)(黒)を加える。
対戦相手1人がクリーチャーでも土地でもないカードを1枚捨てるたび、カードを1枚引く。

手札から捨てたことが成立した場合、それぞれの挙動をする。
クリンナップステップで捨てた場合、通常クリンナップステップでは優先権が発生しないが、
誘発型能力がこのタイミングで発生するので例外となり、優先権が発生する。

前提
「捨てる」という処理の中に「手札から墓地にカードを置く」ことを含まれているだけで、
《無駄省き》は「捨てる」というイベントが起こるたび誘発し、
「墓地にカードが置かれること」で誘発しているわけではありません。

誤解の発端は、捨てるという行為が、カードが墓地に置かれる必要がある、という誤認である。
「カードが墓地に置かれる度に」と「カードを捨てる度に」では挙動が異なる。

疑問に思った案件
1.RIPの影響下
2.手札から追放
3.ネクロポーテンスをコントロールしている
4.ロクソドンの強打者/Loxodon Smiterを捨てた場合
5.クァーグノス/Quagnothを捨てた場合
6.レンの書庫/Library of Lengの影響下
7.RIP影響下でクァーグノス/Quagnothを捨てた場合
8.マッドネスを持つカードを捨てた

参考アドレス
http://mtgwiki.com/wiki/%E6%89%8B%E6%9C%AD%E7%A0%B4%E5%A3%8A%E5%AF%BE%E7%AD%96%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%89

7 その他のルール
701 キーワード処理
701.7 捨てる/Discard
701.7a カードを捨てるとは、それをオーナーの手札からそのプレイヤーの墓地に置くことである。
701.7b 通常、プレイヤーにカードを捨てさせる効果は、その影響を受けるプレイヤーに捨てる カードを選ばせる。一部の効果は、無作為に捨てることを要求したり、あるいは他のプレイヤーに選ばせることを要求することもある。
701.7c カードが捨てられ、ただし効果によってオーナーの墓地でなく非公開領域に公開されることなく置かれる場合、そのカードの特性はすべて未定義として扱う。捨てる カードの特性を必要とするコストを支払うためにカードがこの方法で捨てられた場合、そのコストの支払いは不正である。ゲームはコストの支払いが始まる前まで巻き戻される(rule 717〔不正な処理の扱い〕参照)。


上であげた挙動をひとつずついってみよう。
1.RIPの影響下
Rest in Peace / 安らかなる眠り (1)(白)
エンチャント
安らかなる眠りが戦場に出たとき、すべての墓地にあるすべてのカードを追放する。
カードかトークンがいずれかの領域からいずれかの墓地に置かれる場合、代わりにそれを追放する。

類似、Leyline of the Void / 虚空の力線 (2)(黒)(黒)
エンチャント
虚空の力線があなたのゲーム開始時の手札にある場合、あなたはそれが戦場に出ている状態でゲームを始めてもよい。
いずれかの領域から対戦相手の墓地にカードが置かれる場合、代わりにそれを追放する。

捨てるとは、手札から墓地にカードが置かれることを意味する。
RIPが張られていると、カードが墓地に置かれることはないので、無駄省きは何もしない。
カードを捨てているため、無駄省きは機能する。
捨てたカードは墓地に置かれる代わりに、追放に置換される。

2.手札から追放
Karn Liberated / 解放された者、カーン (7)
プレインズウォーカー  カーン(Karn)
[+4]:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは自分の手札からカードを1枚追放する。
[-3]:パーマネント1つを対象とし、それを追放する。
[-14]:解放された者、カーンにより追放された全てのオーラ(Aura)でないパーマネント・カードを別にした状態にしたまま、ゲームを再び開始する。その後、それらの別にしたカードをあなたのコントロール下で戦場に出す。
初期忠誠値6

類似、Sin Collector / 罪の収集者 (1)(白)(黒)
クリーチャー  人間(Human) クレリック(Cleric)
罪の収集者が戦場に出たとき、対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーは、自分の手札を公開する。あなたはその中からインスタント・カードかソーサリー・カードを1枚選び、そのカードを追放する。
2/1

類似、Vizkopa Confessor / ヴィズコーパの聴罪司祭 (3)(白)(黒)
クリーチャー  人間(Human) クレリック(Cleric)
強請(あなたが呪文を1つ唱えるたび、あなたは(白/黒)を支払ってもよい。そうした場合、各対戦相手はそれぞれ1点のライフを失い、あなたはその点数分のライフを得る。)
ヴィズコーパの聴罪司祭が戦場に出たとき、望む点数のライフを支払う。対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーはその点数に等しい枚数のカードを自分の手札から公開する。あなたはその中から1枚を選び、それを追放する。
1/3

類似、Tidehollow Sculler / 潮の虚ろの漕ぎ手 (白)(黒)
アーティファクト クリーチャー  ゾンビ(Zombie)
潮の虚ろの漕ぎ手が戦場に出たとき、対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーは自分の手札を公開し、あなたはその中から土地でないカードを1枚選ぶ。そのカードを追放する。
潮の虚ろの漕ぎ手が戦場を離れたとき、その追放されたカードをオーナーの手札に戻す。
2/2

墓地を経由せず、直接追放領域に行くので、無駄省きは何もしない。
そもそも捨てていないので、墓地がどうの関係なく無駄省きは何もしない、

3.ネクロポーテンスをコントロールしている
Necropotence / ネクロポーテンス (黒)(黒)(黒)
エンチャント
あなたのドロー・ステップを飛ばす。
あなたがカードを捨てるたび、あなたの墓地にあるそのカードを追放する。
1点のライフを支払う:あなたのライブラリーの一番上のカードを裏向きのまま追放する。あなたの次の終了ステップの開始時に、そのカードをあなたの手札に加える。

捨てるたび、墓地にあるカードを追放するので、捨てたカードは一度墓地に行く。
誘発型のRIPみたいなもの。
カードを捨てているため、無駄省きは機能する。

4.ロクソドンの強打者/Loxodon Smiterを捨てた場合
Loxodon Smiter / ロクソドンの強打者 (1)(緑)(白)
クリーチャー  象(Elephant) 兵士(Soldier)
ロクソドンの強打者は打ち消されない。
対戦相手1人がコントロールする呪文や能力があなたにロクソドンの強打者を捨てさせる場合、それをあなたの墓地に置く代わりに戦場に出す。
4/4

類似、Dodecapod / 十二足獣 (4)
アーティファクト クリーチャー  ゴーレム(Golem)
対戦相手がコントロールする呪文や能力によって、あなたが十二足獣を捨てさせられる場合、十二足獣をあなたの墓地に置く代わりに、その上に+1/+1カウンターを2個置いた状態で戦場に出す。
3/3

これらは墓地を経由せず、戦場に出るので、無駄省きは何もしない。
カードを捨てているため、無駄省きは機能する。
墓地に置かれる結果を、戦場に出すことに置換している。

5.クァーグノス/Quagnothを捨てた場合
Quagnoth / クァーグノス (5)(緑)
クリーチャー  ビースト(Beast)
刹那(この呪文がスタックにあるかぎり、プレイヤーは呪文を唱えられず、マナ能力でない起動型能力を起動できない。)
被覆(このクリーチャーは呪文や能力の対象にならない。)
対戦相手1人がコントロールする呪文や能力によって、あなたがクァーグノスを捨てさせられたとき、それをあなたの手札に戻す。
4/5

類似、Sand Golem / 砂のゴーレム (5)
アーティファクト クリーチャー  ゴーレム(Golem)
対戦相手1人がコントロールする呪文や能力によって、あなたが砂のゴーレムを捨てさせられたとき、次の終了ステップの開始時に、あなたの墓地にある砂のゴーレムを、その上に+1/+1カウンターが1個置かれた状態で戦場に戻す。
3/3

類似、Mangara’s Blessing / マンガラの祝福 (2)(白)
インスタント
あなたは5点のライフを得る。
対戦相手がコントロールする呪文や能力によって、あなたがマンガラの祝福を捨てさせられたとき、あなたは2点のライフを得るとともに、次の終了ステップの開始時にあなたの墓地にあるマンガラの祝福をあなたの手札に戻す。

類似、純粋な意図/Pure Intentions
Pure Intentions / 純粋な意図 (白)
インスタント  秘儀(Arcane)
このターン、対戦相手がコントロールする呪文や能力によってあなたがカードを捨てさせられるたび、あなたの墓地にあるそれらのカードをあなたの手札に戻す。
対戦相手1人がコントロールする呪文や能力によって、あなたが純粋な意図を捨てさせられたとき、次の終了ステップの開始時に、あなたの墓地にある純粋な意図をあなたの手札に戻す。

これらは一度墓地に行った後、それぞれの挙動を行う。
捨てているので無駄省きは機能する。

6.レンの書庫/Library of Lengの影響下
http://mtgwiki.com/wiki/%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%81%AE%E6%9B%B8%E5%BA%AB/Library_of_Leng
Library of Leng / レンの書庫 (1)
アーティファクト
あなたの手札の上限は無い。
効果によってあなたがカードを捨てさせられた場合、あなたは、そのカードを捨てるが、それをあなたの墓地に置く代わりにあなたのライブラリーの一番上に置いてもよい。

捨てることを選んでもよい、その場合、無駄省きは機能する。
捨てる代わりにライブラリーのトップに移動させてもよい、その場合、無駄省きは何もしない。

osaさんの補足
# 《無駄省き》は、「カードを捨てる」ことで誘発しているのではなく、カード・タイプが参照して別途の能力が誘発するため。
# 非公開領域から非公開領域へカードを移動させる《レンの書庫》の置換によってカード・タイプが参照できず、結果誘発しない。

7.RIP影響下でクァーグノス/Quagnothを捨てた場合
http://mtgwiki.com/wiki/%E3%82%AF%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%82%B0%E3%83%8E%E3%82%B9/Quagnoth
これが捨てさせられた時の誘発型能力は領域変更誘発であるが、「手札から」はCR:603.6dに該当しないため、誘発のチェックは通常通り「イベントの直後」に行う。つまり、能力が実際に誘発するのは墓地である。
イクスリッドの看守/Yixlid Jailer(「墓地にあるカードはすべての能力を失う。」)が戦場に出ている場合、誘発しない。
虚空の力線/Leyline of the Void等により墓地ではなく追放領域に移った場合、能力はその領域で誘発し手札に戻る。
レンの書庫/Library of Leng等により直接ライブラリーに移った場合は、基本的に誘発しない。

追放領域で能力が誘発し、手札に戻る。
無駄省きは機能しない。
捨てているので無駄省きは機能する。

8.マッドネスを持つカードを捨てた
http://mtgwiki.com/wiki/%E3%83%9E%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%8D%E3%82%B9
マッドネス [コスト]/Madness [コスト]は以下の2つの能力からなる。
いずれかのプレイヤーが自分の手札からこのカードを捨てようとする場合、そのカードは捨てられるが、そのカードを墓地に置く代わりに追放してもよい。(常在型能力)
このカードがこの方法で追放されたとき、そのオーナーは、マナ・コストではなく[コスト]を支払うことでこのカードを唱えてもよい。そうしない場合、そのプレイヤーはこのカードを自分の墓地に置く。(誘発型能力)

マッドネスを持つカードは一度捨てられるので、無駄省きは機能する。
マッドネスの1番目の能力は、カードを捨てたときの行き先を変更するだけで、「カードを捨てる」こと自体は行われているので、偏頭痛/Megrimなどは通常通り誘発する。

下記の挙動すべて、無駄省きは機能する。
マッドネスを持つカードを捨てた、追放することを選び、唱えることを選ぶ、解決後カードは墓地に置かれる。
マッドネスを持つカードを捨てた、追放することを選び、唱えないことを選ぶ、解決後カードは墓地に置かれる。
マッドネスを持つカードを捨てた、追放しないことを選ぶ、カードは墓地に置かれる。

RIPが張られていた場合、無駄省きは機能しない。
RIPが張られていても、無駄省きは機能する。
RIPの影響によりカードを捨てる(墓地に置かれる)ことがないため、マッドネスコストでカードを唱えることはできない。
マッドネスを持つカードを捨てた?、RIPにより追放されるので捨てたことにならない、マッドネスにより追放することを選べないし、唱えることを選べない。
マッドネスを持つカードを捨てた場合、RIPにより追放されるが、マッドネスによる追放も同時に満たせる。
よって、マッドネスコストを支払い、追放領域から唱えることを選ぶことができる。
ただし、唱えた後はRIPの影響により、カードは墓地に置かれる代わりに追放領域に置かれる。

コメント

nophoto
通りすがり
2014年8月5日7:00

4.は違います。
《強打者》等が戦場に出るのは、「捨てさせられた」側の「墓地に置く代わりに戦場に出る」置換型能力です。
「捨てさせられた(捨てた)」事に変わりはないので、《無駄省き》は誘発します。

osa
2014年8月5日9:36

「捨てる」という処理の中に「手札から墓地にカードを置く」ことを含まれているだけで、《無駄省き》は「捨てる」というイベントが起こるたび誘発し、「墓地にカードが置かれること」で誘発しているわけではありません。

という前提で。

1.の《安らかなる眠り》については、墓地にカードが置かれることを置換しているだけで、カードが捨てられたことを変更するものではありません。
「捨てる」というイベントの結果のカードの移動先が変更されているだけです。
結果、8.マッドネスと一緒で、「捨てる」というイベントは発生しているため、《無駄省き》は誘発します。

2.については、墓地経由云々ではなく、単純に「捨てる」というイベントが発生していないのが理由です。

4.も上の通りすがりさんの言う通り、誘発します。

6.も、ライブラリートップに置くことを選んだ場合でも《無駄省き》は誘発します。
# もしも《レンの書庫》の記述が「カードを捨てる代わりにライブラリーの一番上に置く」だった場合は、イベントが置換されているため誘発しません。

8.については、《無駄省き》が誘発するのはもちろん、マッドネスは《安らかなる眠り》が戦場にあっても機能します。

通りすがりが長文、失礼いたしました。

BluE
2014年8月5日9:41

通りすがりですが。

1.も違いますね。
上の通りすがりさんが言っているのと同じく、捨てたカードの行き先が変わるだけで、捨てたことには変わりないからです。また、追放領域は非公開ではないので、捨てたカードの特性を参照できます。
つまり、RIP下でも無駄省きは機能します。

同じく7.(クァーグノスを捨てた場合)でも無駄省きは機能します。

失礼しました。

BluE
2014年8月5日9:46

osaさんとかぶってしまいました、失礼。

ただ、6.については、捨てたカードの特性を参照できないので無駄省きは誘発しません。(偏頭痛、リリアナの愛撫であれば誘発します。)

さととと
2014年8月5日9:48

皆様
コメントありがとうございます。

帰宅後、理解した後に追記いたします。

osa
2014年8月5日13:07

BluEさんのおっしゃる通り、上記の私のコメントは、6.番については間違えております。
# 《無駄省き》は、「カードを捨てる」ことで誘発しているのではなく、カード・タイプが参照して別途の能力が誘発するため。
# 非公開領域から非公開領域へカードを移動させる《レンの書庫》の置換によってカード・タイプが参照できず、結果誘発しない。
偉そうに誤情報失礼いたしました。

さととと
2014年8月6日2:21

皆様
記事修正しました。
誤解の発端は、捨てるという行為が、カードが墓地に置かれる必要がある、という誤認でした。
お騒がせしました。

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